エニアグラムとは
エニアグラムとは、性格を9つのタイプに分類し、性格や思考や行動パターンをそのそれぞれの9つに属性させたツールです。
その9つのどれかに私達全ての人間を当てはめるための自己分析ツールです。
この9つのどれかに全ての人間はあてはまるという基本的な理念の元に形成されているツールですが、そこに当てはめさせるためにいくつかの質問が用意されています。
その質問結果で9つの内のどれか1つに仕分けられるのですが、全てが独立したとても貴重な属性であるので優劣をつけるための仕分けではありません。
優劣ではなくむしろお互いに助け合わせることさえ可能とされるツールですので、是非多くの方に活用していただければなと感じます。
3つの性格が生まれた時点で決まっている?
人間は生まれた時点で3つの性格が決まっています。
本能型、思考型、感情型です。
この3つは性格の真ん中にあるのでなかなか変えることはできません。
例えば、赤ちゃんから3歳までの子供でお腹が空いたら泣く、眠くなったら泣くなどわかりやすい子は本能型です。
思考型の子は、赤ちゃんなのに、あまり泣かず、手がかからない子です。
感情型の子は、自分の思い通りにならなかったらグズグズ泣くことが多い子です。
この3つが3歳までの基本となります。
本能型
タイプ1、タイプ8、タイプ9である本能型の大まかな特徴は「空腹、睡眠欲などを優先にする」「単純であまり深く考え込まない」「嘘をついてもすぐにバレたり、隠し事が下手」「自分の欲求が通らないと不機嫌になる」などがあげられます。
思考型
タイプ5、タイプ6、タイプ7の思考型の特徴は「何かをする時には考えて行動する」「頭脳プレーなど、考えて戦略を練る方法が得意」「抽象的な話や、矛盾などが苦手」「具体的な目標を決めると頑張れる」などがあげられます。
感情型
タイプ2、タイプ3、タイプ4の感情型の人の特徴は「感情で動くタイプ」「喜怒哀楽がはっきりしている」「よく泣いたり、怒ったり、笑ったりと感情表現が豊か」「少しのことでも傷つきやすく、壁を作りやすい」「仕事でも褒められて伸びるタイプの人が多い」などがあげられます。
6歳までにエニアグラムで9つのタイプで分かれる?
3歳までに3つのタイプに分かれ、そこから6歳までの家庭環境や周りの影響を受けてエニアグラムでいう9つのタイプに分かれます。
エニアグラムで9つに分けると
タイプ1が完璧主義者(本能型)、タイプ8が統率型(本能型)、タイプ9が調停者(本能型)です。
タイプ5が観察者(思考型)、タイプ6が堅実者(思考型)、タイプ7が楽天家(思考型)です。
タイプ2が献身家(感情型)、タイプ3が達成者(感情型)、タイプ4が芸術家(感情型)です。
タイプ4の特徴
『哲学的に世界を見つめる心の旅人』
タイプ4は感性豊かなアーティストタイプで、独自の美意識、美学の中で生きていくタイプの人たちです。分かりやすく言うとGACKTさんのような独特の雰囲気を持つ印象で、自分の世界観を非常に大事にします。普通の人が気づかない所まで気づく細やかさも持っていて、自由な発想の下、洗練されたスタイルを作り出していきます。ただ、このタイプ4の人は周りから見ても本当にタイプ4なのか分かりにくいので、独特だからとか、この人変わってるからタイプ4と決めつけるのは危険です。
タイプ4の長所と短所
確固たる強い意思と高い理想を追い求めます。その向上心にブレがないためどんな屈強に立たされても諦めない不屈の精神があります。
周囲の評価や権力、お金などに惑わされません。甘い話に乗りませんし、むしろ俗世の快楽や誘惑を嫌っています。世間でいう幸せの形は、タイプ4の人にとっては幸せではないからです。
哲学者や思想家でもあり、人々の喜怒哀楽を冷静に見ています。独特の世界観を持っているため、人を魅了する不思議な魅力を感じさせる人です。
協調性がありません。個人プレーで自由にやりたいため、協力プレーによる束縛を嫌います。動きを制限されると、たとえそこが温室でも外へ抜け出したくなります。
感情の浮き沈みが激しいです。これは他人によるものではなく、自分自身の心と向き合った結果、喜んだり落ち込んだりしてしまうのです。こうなると他人からどんなに慰められてもだめで、自分がよいと思えなければどこまでよくないと断定してしまいます。
極度の人間嫌いになることがあります。他人に理解されていないと感じて自分から集団を離れていってしまいます。
タイプ4を有名人・アニメキャラに例えると
スナフキン(ムーミン)、所ジョージ、西川きよし、アンジェリーナジョリー、ジョニーデップ、堺正章、久本雅美、福山雅治、吉田美和、いかりや長介、ジョンレノン、きゃりーぱみゅぱみゅ、レディーガガ、上戸彩、樹木希林、テリー伊藤 など
タイプ4の「囚われ」
平凡さを避ける
タイプ4は、平凡であることを避け、自分のことを他人とは違った特別な人間だと思いたいという「囚われ」がある。自分の感受性に自信をもっているので、感性の世界に入り込み、現実を無視する傾向がある。またその豊かな感受性ゆえに周囲の理解が得られないと感じ、それが疎外感のレベルにまで達すると、鬱状態になりやすく、引きこもろうとする。自分の特別視ゆえに、現在に満足することができず、いつでも「本当の人生はこれから始まる」と感じている。常に深い感動を求めるその姿勢は、洗練されたイメージとともに、大げさでお高くとまった感じを周囲に与える。
- 不安を感じるとほかの人へ嫉妬しやすくなる。
- 他の人は、あんなに魅力的に自分らしく生きているのに…と落ち込む。
- なんで自分はこんなに未完成で、ダメなんだろう…と落ち込む。
- 自分は、周りからダメな人間だと思われている…と思い込み落ち込む
タイプ4の時問感覚
感情の強度、感動の有無で時間を計る
- オンとオフを極端に分ける。
- 自分の時間を大切にする。自分が自分でいられる瞬間を邪魔されたくない。
- みんなの前ではおとなしくて人当たりがいい。でも、意識は常に自分の内面に向いている。
- 感情を抑えている時間は生きている感覚がない、もしくは完全に別人を演じている。
タイプ4は、時間にあまり強い意識をもっておらず、基本的に時間を無視して生きている。感動を味わっているときの時間は強く意識し、飛ぶように過ぎていくと感じる。一方、感動のない時間は、きわめて単調に過ぎ、意識は時間から消える。彼らは、時間を主観的な感情の強度によって計るのだ。時間から自由なので、朝起きようが、夕方起きようが平気な人が多い。夕方の方が感動が味わえれば、夕方起きるという生活を好む。タイプ4に、感動のない無味乾燥な仕事や誰にでもできる仕事を頼むと、時間は退屈でたまらないものになってしまう。
タイプ4の人間関係
- 本心ではみんなから関心を求めているが、あえて態度には出さない。
- 心の底では、「私の本当の部分を気付いて!」と訴えている。
- 自分の個性や独自性を見出してくれる人には好き勝手になる。
- くっつきすぎず、離れすぎず、微妙な距離感を求める
- 気分にムラはあるが人当たりはよい。
タイプ4にとって他者は、自己を移す鏡のようなものです。常に他人と自分を対比させながら、その人にはない自分ならではの「個性」や「独自性」を探しています。タイプ4が、最も恐れるのは、グループの環境に染まって自分の個性が薄れていくこと。タイプ4に「私はどんな人?」って質問されて、「普通」と言われたらかなり凹む。場合によっては、ブロックする。タイプ4は、幼少期の頃に大人たちから、本当の自分を見てもらえなかったように感じてい。さらに、自分の価値観や考えがあまりにも違っていたため、自分がその家族に属していないような感覚をもっている。自分の個性や独自性を育むため、タイプ4は自己操作的になり、人と接しながらその人にはないものを自分の中に取り込もうとする。他の人にはない特別な自分を作り出す。
タイプ4の恋愛
- 自分の内面の中で恋愛ドラマを作っている悲劇のヒーロー・ヒロインになる。
- 恋人やパートナーに求めているのは、自分の全てを受け入れて、理解してくれて、特別に扱ってくれて、献身的に支えてくれる人。
- 相手からどう思われているか?に興味があるが、それ以上に自分がどういう存在なのかに興味がある。
- マンネリな関係に退屈さを覚えて、時々、普通ではない恋愛をしたくなる。
タイプ4にとって恋愛は大イベントです。普通の幸せよりも、退屈な日常から脱出できるくらい心が躍るような恋に身を投じたいと願っています。一方で、そこに満足しなくなったら、ちょっとスパイスの効いたドロドロやドラマチックな昼ドラのような世界を求めたりもします。小さな幸せや同じ日々の繰り返しには耐えられないのかもしれません。恋愛を通じて様々な感情を味わいたい願望がある。恋愛に関しては、役者になりつつも、どこかで監督のような役割も担っていたりします。でも、本人は全くその自覚がありません。花より男子に登場する花沢類のような人。
タイプ4の仕事・働き方
- 個性や感性を生かせる仕事なら精力的に取り組む。そして、そんな仕事を日々探している
- 芸術やデザインの仕事には興味を持つが、事務的な淡々とした作業は好まない。
- 自分の個性や感性に自信を持っているが、露骨にアピールはしない。(あえて誰かから発掘してもらいたいと願っている)
自分の欲求を言葉にこそしませんが、「これこそが私の仕事だ!」と思えるような天職に出会えることを願っています。どうしても今の職場が息苦しいと、「私をこんなところに閉じ込めないでー」と叫びながら、転職活動をはじめます。タイプ4にとって、仕事は人に合わせる時間。プライベートは、自分の時間。この境界線は明確です。ただ、仕事を通じて自分らしさを感じられるのであれば鬼のように働きます。組織の中ではあまり通用しないです。なお、タイプ4は創作活動が好きですが、必ずしもアーティストやクリエーターを志すわけではなく、士業・事務職・コンサルタント・マーケッターなどのお仕事に就く人もいて、限られた範囲の中で、どのように自己を表現するかも、タイプ4の楽しみの一つだったりします。
タイプ4の適職
向いている仕事
タイプ4の人はクリエイターやライターが適しています。何らかの形で自己表現できる環境にいないと苦しくなってしまいます。WEBデザインやグラフィックなどのIT関連や、美術や絵画、陶芸、工芸、伝統職人、作家などの分野で自己表現するのがよいでしょう。
また発想が豊かなのでアイデアマンとしても活躍できます。企画やイベント関係、広報の仕事もふさわしいでしょう。
また研究職や大学教授も向いています。ひとりで黙々と没頭できる仕事はとてもふさわしいですし、トライアンドエラーで試行錯誤しながら仮説を実証する職務はタイプ4の人のやる気をみなぎらせてくれるでしょう。
適職
クリエイター、デザイナー、研究者、小説家、詩人、哲学者、心理学者
向いていない仕事
人と対面する仕事が向いていません。営業職やカウンセラー、コンサルティングなど、相手の様子をうかがいながらこちらの態度を決める職業につくと、人の扱い方がわからず人間不信が加速してしまいます。
タイプ4のお金の使い方
- ランキングや世間の注目は参考にしない。
- 自分探しやこだわり、独自性を演出してくれるアイテムにお金を使う。
- 社交辞令用の経費と自己演出用の経費を分けている。
タイプ4にとってお金は、自分の個性や独自性を作るための道具です。そのため、世間で注目されているグッツや今年の流行には興味を示しません。自分らしさを見いだせるものにお金を使います。
タイプ4のストレスとトラブル
タイプ4(芸術家)がストレスを強く感じると、タイプ2(献身家)のようになります。
基本的には、自分の世界を守るために周りの人と一定の距離を保っている芸術家。
ひとりで自分の世界に浸った後は、周りの人との距離を縮めるために無意識に押しつけがましい行動をとってしまうんです。
- 周りの人との関係を心配する。
- 自分が好きな人と距離を縮める方法を考える。
「私はあなたを助けるためにここにいるのに!」と、普段では考えられない主張をすることがあります。
ストレスやトラブルに直面するのは
- 考え事をして自分の世界に埋没していたいのに、外部の世界に対応しなければならないとき。
- 「自分は平凡な人間だ」「自分はたいした個性がない」と感じるとき。
- 憂うつな気分が続くとき。
- 反応がいまいち大げさだと思われたとき。
ストレスやトラブルからの対応策
- もっと自分を厳しく律し、仕事をきちんと終わらせよう。
- いま、自分が持っているものの価値を認め、ありがたいと感謝しよう。
- 「自分は誤解されている」「真価を認められていない」と感じたら、少し足を止め、情報を集めよう。
タイプ4が成長するためのヒント
タイプ4は、自分が持つ独創性やユニークさを発揮できる場所を求めています。仕事であれ趣味であれ、何かしらそうした自己表現ができる場所を持つことが大事です。
- 平凡な現実とロマンチックな世界とのバランスをどう取っていくかも大事です。
- 現実に偏りすぎると心を病んでしまうかもしれません。
- ロマンチックな世界に偏りすぎると現実の生活に支障が出るかもしれません。
- 現実とロマンチック、両者の間でうまくバランスをとっていくしかありません。
タイプ4(芸術家)が成長するためには、タイプ1(完全主義者)の「現実的で実務的なところ」を見習うことで、現実逃避的な癖を克服できるようになり、積極的に社会と関われるようになります。
普段は、周りの反応などを自分の中で妄想して決めている芸術家。
しかし、完全主義者の資質を取り入れることで、妄想ではなく現実を受け入れることができるようになります。周りとコミュニケーションをとったり現実を知ることで、妄想だけではわからなかった自分自身のニーズを深めることができるんです。
そうすることで、自分の妄想ではわからなかった新たな自分のニーズや能力、才能を知ることができます。
その他のタイプも見る
エニアグラム タイプ判別診断
エニアグラムをもっと知りたい方にお勧めの書籍
鈴木秀子(著)1997/11発売
エニアグラムは、二千年以上の歴史をもつ非常に神秘的な人間学。そしてその高度な知恵は、現在まで生き続け、現代人に譲り渡された。エニアグラムがめざすのは、あなたが、よりよく生き、あなたの能力や個性を最大限に生かすための知恵を提供することにある。本書は、あなたが新しい生き方を実現するための地図にすぎない。「こっちへ行くより、あっちのほうがいいですよ」と提案する地図であり、しかもとてもよくできた「あなたの人生の地図」です。
鈴木秀子(著) 富永三紗子(イラスト) 2014/11/14発売
累計88万部のロングセラー本『9つの性格』シリーズ初のイラストブック。人間は、9つの本質の中のひとつを与えられて、この世に生を受けるという考えに基づく「エニアグラム」は、自分の本質を知り、より人生を価値のあるものにするための人間学です。科学的な裏付けもされた性格分析を、イラストをまじえて初心者にもわかりやすく解説。ビジネスマンから主婦まで多くの人々への指針として、仕事や人間関係を改善する知恵が詰まったエニアグラムの入門書です。
著者(著) 鈴木秀子(著)1999/3/4発売
ロングセラー本『9つの性格』シリーズの恋愛・結婚編。あなたも、あなたの愛する人も9つの性格のどれかに属していて、二人の間の愛情もトラブルもそのタイプの違いから生まれているのです。あなたの恋愛は大丈夫? 二人の不満、不安、猜疑心をスッキリ解決。愛するパートナーの性格と、その人との最良のコミュニケーション法を教えます。話題のエニアグラムによる性格分析。私の恋愛は?―恋愛に悩みを抱えている人にこの本を贈ります。
ドンリチャードリソ(著)ラスハドソン(著)高岡よし子(翻訳)ティムマクリーン(翻訳) 2019/3/29発売
最新の心理学を取り入れた性格分析法「エニアグラム」。人を生まれがらの気質によって9つのタイプに分類し、各タイプが本来もっている可能性や特徴を驚異的な正確さで描いた、第一人者による決定版。ビジネス、コーチング、カウンセリング、教育、CIAなどの分野で活用され、世界中で大きな反響を呼ぶエニアグラムを、理論、各タイプの特徴を詳説。 自分自身まだ気づいていない隠された可能性やストレスへの効果的な対応法など理解することができる一冊。
ドンリチャードリソ(著)ラスハドソン(著)高岡よし子(翻訳)ティムマクリーン(翻訳) 2019/5/17発売
『新版 エニアグラム【基礎編】』の続編。人を生まれがらの気質によって9つのタイプに分類し、各タイプが本来もっている可能性や特徴を驚異的な正確さで描く「エニアグラム」。「基礎編」に続く「実践編」では、各タイプのさらに詳細な解説と、それぞれの特長を生かしたり、弱点を克服するための豊富なエクササイズを紹介。実際に、どのように自分自身の成長に取り組み、人間関係に生かせるかを、具体的に解き明かす。
片桐あい (著) 2019/05/15発売
「職場の人間関係の悩み」は、いつの時代も転職や退職理由の上位にランクインするほど、解決が難しいもの。「ムチャな命令ばかりする上司」「言うことを聞かない部下」に悩まされた経験をもつ人は多いだろう。本書では、性格応用心理学「エニアグラム」を用い、あるゆる人を9タイプに分類。各タイプの人物に職場でどう接すれば関係が良化するかを解説している。現場のプレイヤーはもちろん、リーダーや経営者も必読の一冊。
坪田信貴(著)2016/9/8発売
累計120万部の大ベストセラーとなった『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(通称ビリギャル) の著者、待望の第二弾作品「子どもとあなたの取扱説明書」とも言える一冊です。「90問の診断テスト」で、あなたやあなたのお子さん、ご家族などすべての人間のタイプが即座に判明します。そして、その9タイプ別の声がけや働きかけにより、ビリギャルのような奇跡が、あなたやお子さん、ご家族に起こります。
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ベストセラー『子どもの心のコーチング』の著者による新しい子育て本9つの性格タイプでわかる子どもの伸ばし方、親の接し方。エニアグラムは、自分の成長を望むすべての人たちに大変役立つものだと思います。そして、子育てにおいては必須の知恵だと確信しています。タイプによって違う子どもの気質を理解することで、子供が親の言葉の受け止め方が違うんだと気付かされたり、子供に対する親の対応も変わります。子育て中の方に必読の一冊。
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